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全日本一般缶工業団体連合会

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1 前史

1. ブリキ製造の始まり

ブリキは 、1240年頃ボヘミアで製造が始められたといわれている(1)
1620年頃には 、ザクセンなどに技術が導入され 、ブリキ製造業が栄えた(2)
1165年 、イギリス人アンドリ ュー ・ヤラントンがザクセンでブリキ製造について研究し 、その事業を開始したが一時中断し 、メイヤ・ジョン・ハンブリによって再開された。ハンブリは 、鉄を2枚に重ねて鍛造し 、薄く均一に延ばす方法を工夫した。また 、ジョン ・ぺインの協力によって・1728年ロールで鉄板を圧延する方法を開発した(3)
フランスのブリキ製造は 、1714年ドイツの技術者によって開始された(4)。 イギリスは 、初め錫(5)をザクセンに輸出しブリキを輸入していたが 、19世紀になるとブリキ製造技術の進歩(6)で世界の中心となった。
サウス ・ウエールズは 、19世紀後半には世界の90%を生産する最大のブリキ生産地となつた。ブリキ貿易を独占し 、アメリカが最大の顧客であった(7)。 アメリカのブリキ製造の開始は1858年で 、イギリスからの移住によっておこなわれた。当初 、イギリスの輸出に押されていたが 、しだいにアメリカのブリキ生産が増加し 、1920年にはイギリスの輸出が皆無の状態となった。
1929年 、コールド ・ロ一リングの方法がアメリカで確立された。冷間圧延によつて所要の厚さまで高速に減縮する方法である。1936年~1937年には 、電気メッキの工業化も進んだ(8)

2. ブリキ缶の登場

ブリキ缶は 、缶詰法の発見とともに登場してきた・フランス人ニコラ ・アぺ一ルは、ガラスびんの中に食物を入れてコルク栓で密封し 、加熱殺菌をおこない 、脱気後完全密封してびん詰とする食物保存法を 、1795年から研究し1804年に完成した。 これが缶詰の原理の誕生であるが 、その理論的な解明は1873年ルイ ・パスツールが 、細菌学的基礎に立つて加熱殺菌の原理で証明(9)した。
缶詰の誕生は 、1810年イギリスのピ一タ一 ・デユラン(10)が 、ブリキ缶などの容器についてイギリスの特許を得たことに始まる。そして 、1812年イギリスのブライアン ・ドンキンとジョン ・ホ一ルが 、デュランの特許を使用して世界最初の缶詰工場を設立した。 1824年には 、フランスでコランが初めてイワシ缶詰を製造した。
缶詰製造法は 、アメリカにも伝えられた。1818年 、ダゲットはニュ一ヨ一クでカキ缶詰を製造した。また、1819年頃、ケンセットはサケ・カキ・エビの缶詰めを製造した(11))。
製缶技術については、1847年アメリカ人テイラーが、打抜缶を発明し特許を得た。
また1849年アメリカ人エバンスは 、蓋底を打ち抜く機械であるティン ・プレスを発明した。さらに 、1852年のスティーブンソンの蓋底ハンダ付器 、1877年缶胴接合の機械が考案され(12) 、製缶作業の機械化が進んだ。
1896年 、アメリカの缶詰業者アムスは 、缶の巻締部に使用するシ一リングコンパウンドを完成し 、特許を得た。
1898年には 、ブレジンガ一が自動機械ライニングマシンを開発した。これは 、サニタリー缶の完成で 、二重巻締法の発明ともなる製缶技術の革新であった。
自動製缶機械の進歩で 、l9世紀の終わり頃には缶詰業から製缶業が分離独立するようになった。
1901年 、アメリカで60社の製缶会社が合併し 、アメリカン ・キャン ・カンパニ一(A.C.C)が設立され 、サニタリ一缶の本格的な供給がおこなわれるようになった(13)


(注)
(1) 野沢弘幸: 「缶詰工場設備と運営 」日本缶詰協会 1969
  その始まりをl4世紀とする説 、また16世紀の初めとする説がある。

(2) 日本缶詰協会監修 ・稲垣長典総編集 「缶びん詰 ・レトルト食品事典』朝倉害店 1989
サクソニー候が 、ボヘミアのブリキ製造法をザクセンに伝え 、その後イギリスやフランスに広まっていったといわれている。

(3) 前掲(1)

(4) 前掲(1)

(5) 前掲(2)
1640年 、イギリスで錫鉱山が発見された。

(6) 前掲(1)
1855年イギリス人へンリ一 ・べッセマは転炉による酸性べッセマ法を考案し 、1877年トーマスおよびギルクリストは炉内の塗布材をかえた塩基性べッセマ法をおこない 、1861年ウィリアム ・シ-メンスは蓄熱炉を発明した。数年後には 、フランス人マルチン兄弟が平炉によるシ一メンス ・マルチン製鋼法を考案した。このように 、ブリキ基材である錬鉄にかわって 、転炉鋼や平炉鋼が使用されるようになった。

(7)伊東俊太郎 ・坂本賢三 ・山田慶児 ・村止陽一郎編: 「科学史技術史事典 」弘文堂 1983

(8)前掲(1)

(9)日本缶詰協会編: 「缶詰製造講義エ(総論) 」日本缶詰協会 1960

(10)上掲
デュランは 、ブリキ缶使用の開祖とされている。その頃使用されたブリキは 、薄鉄板 に錫の鉱金をほどこしたものであった。

(11)前掲(2)

(12)前掲(9)

(13)前掲(2)